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再び「少子化って本当に問題なの?」

1/21の私のblogで「少子化って本当に問題なの?」と題して私の考えを明らかにしました。最近入手したL. Brownの“Eco-Economy”を読んでいて,その第10章「地球規模の家族計画で人口を安定化する」に,私の考えを補強してくれる内容を発見しました。以下,「 」内は日本語版「エコ・エコノミー」からの引用,[ ]は私の補足です。

「1950年以来,世界人口は2倍に増加した」(P-272)。何でもないことのようですが,これは人類が発生してから1950年前までに,数百万年かけて到達していた人類の総数と同じ数の人間が,たった50年で新たに増加したということです。これは地球という自然にとっては容易ならざることではないでしょうか。

「人口学者は,近代化とともに人口増加率が長期的にどう変化するかを示すのに,三段階モデルを用いる。第1段階では,出生率と死亡率がどちらも高く,従って人口はほとんど,あるいはまったく増加しない。第2段階では,出生率は依然高いが死亡率が低下し,人口が急増する。第3段階では,出生率が低水準に下がって,低い死亡率と均衡し,再び人口が安定化する――。(中略)今日,第1段階にとどまっている国はない。すべての国が第2または第3段階にある。しかし,いくつかの国は,予測されたように第3段階に向って着実に発展するのでなく,死亡率の歴史的な低下が反転したために[HIVや飢餓による]第1段階に向けて逆行し始めている。(中略)多くのアフリカ諸国が後退の兆候を示している。」(P-274)

私がBlogで主張したのは,日本がこの第3段階を早く実現するべき責任があるということです。さらに発展途上国における当分の間の人口増加を考慮に入れれば,人口の安定ではなく,さらに人口減少を維持するべき国際的責任があるということです。

第2段階から第1段階への逆行はまさに人類としての退化です。人道的観点からもこれは絶対に避けなければならないことです。人類の叡智を集めて解決するべき緊急事ではないでしょうか。「現在,死亡率をすでに押し上げているか,またはそのおそれのある三つの明白な脅威が存在する。それはHIVの蔓延,地下帯水層の枯渇[食料不足→餓死],そして土地不足(一人当たり耕地面積の縮小)である。」(P-276) なんとかしてこれらの問題を抱える国々を,第2段階から第3段階へと持ち上げなければ人類の将来は無いでしょう。

この最後の段落の部分は,私のBlogでは日本の少子化の問題に焦点を合わせていたために触れなかったことです。世界の動きとして緊急かつ重要な問題です。L. Brownに感謝します。

レスター・ブラウン...
by ja28tt | 2005-03-28 15:58 | 少子化
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