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引っ越しました


 今まで立ち寄っていただいたり,コメントをいただいたり,大変ありがとうございました。使い勝手の問題などで,この度以下のサイトに引越しましたのでお知らせいたします。ぜひ今までどおり気軽にお立ち寄りいただき,コメントやTBなどよろしくお願い申し上げます。
http://blog.livedoor.jp/konton_1937/
 
なお,4/7に投稿しました「本当の失業対策」のPart-2は,この新しいサイトでごらんください。2,3日中にPart-1の再録から始めさせていただきます。
# by ja28tt | 2005-04-11 22:17

本当の失業対策

Part-1:スウェーデンの失業対策

 昨年のNHKスペッシャルを見ながら考えたことを書いてみました。1年後の今でも十分役に立つ情報だと思います。

放送ではまず各国の失業率を紹介し,それぞれの始業の実体の差などが紹介され,その後に失業対策についての現状が紹介されていました。そのスウェーデンの例を見ての私の第一印象は,「政治というのはこう有るべきもので,政府への国民の信頼がまず有って,対策への具体策を公開し,国民の理解と全的な協力を得なければ成功しない」ということでした。

OECD(経済協力開発機構)に所属している国のうちの27カ国の失業対策費をGDP比で見てみると、アメリカや日本は低い方です。高いのはヨーロッパ諸国です。その中でも特に高いのがスウェーデン。投じている予算は日本の5倍以上。失業者の再教育に力を入れ、「失業率ゼロ」を国の目標に掲げています。具体策は次のようなものです。

1) 失業者の一人一人が個室に招かれ、担当者がマンツーマンで相談にのっているといった徹底した支援。
2) 個人の再教育(レベルアップ)を前面支援。授業料と交通費を支給。
3) 長期失業者への心理的な手当ても充実している。

スウェーデンでも1990年代の初めに土地バブルの崩壊により、失業率が急激に上がり、10%に達しました。1997年、国民は失業者の再教育に予算を集中することに合意、それによって失業率は急減し、2001年には5%にまで下がったのです。これに当てられた予算の財源は、高額所得者への増税と、年金の一部減額でした。

当時のヨーラン・ペーション首相は,「国民一人一人が働かなければ、経済は発展しません。経済が発展しなければ、手厚い社会保障は実現できません。また、失業は人間の尊厳を損ないます。一旦失業してしまうと、社会から孤立し、周りから信頼をえることも難しくなります。自信を失い、家に居続けて、気持ちが沈み、中には病気になる人もいるでしょう。失業によってひとは自分は駄目な人間だと考えるようになってしまうのです。仕事は、人間が尊厳を持って生きるためにどうしても必要なものなのです。失業は一人一人の能力を損ない、同時に国の力を損なうのです。」と言って国民の理解と協力を求めたのでした。

Part-2につづきます。
# by ja28tt | 2005-04-07 15:36 | 今日考えたこと

「永遠の愛」と「アニッチャ(無常)」

長い人生のなかには,どんなに努力しても,最善を尽くしてみてもうまく行かないことが有りますね。そんな時皆さんはどんなふうに考えたり,その場をしのいだりしているのでしょうか。「なんて私は不運なんだろう」と嘆きながら酒を飲んだり,TVを見たり,友達と馬鹿騒ぎをしたり,まあとにかく何らかの方法でその場を凌ぐことになるのではないでしょうか。

しかし、私たちの人生には決して無駄なものは無い、という真理を体得していたら、「これも何かの信号だろう。体験するべきことを体験するべきときにしているのであって、けっして無駄なことではない、ましてや嘆き悲しむようなことではない」と納得することができるはずです。全てのものは「アニッチャ」(無常、変化しないということは無い,という意味――パーリ語,南伝仏教の仏典に使われている言葉)で、今の苦しみや不運も一時的に経験するべきものです。

一方,私は今年の1月16日から20日にかけて[セックスと本当の愛]についてお話しました。これとこの「アニッチャ」について若い友人から次のような鋭い質問を受けました:「アニッチャが真理であろうことは推測できるけれど、あなたのように本当の愛(無償の愛)を持ったらそれは永遠のものであってアニッチャではないことにならないのですか?」

世の中ではよく「永遠の愛」などというけれど、愛だって永遠なものではありえません。愛は常に育てるものであって、常に変化しているものなのです。なにか自分の外側に有って、それを獲得したら永遠に自分のものになる、といったものではありません。愛は自分で育て、育て続けるものなのです。ちょうど植物が、常に水を与えていないと直ちに枯れて死んでしまうように、愛も育て続けなければならないものなのです。人間の心というものはこの世でもっとも不安定なもので、それこそアニッチャの代表選手みたいなものです。この説明を聞いてその若い人は「そうなんだ。愛もアニッチャの例外では有り得ないんだ。納得したわ」と言ってくれました。
# by ja28tt | 2005-03-30 10:46 | 究極の愛

再び「少子化って本当に問題なの?」

1/21の私のblogで「少子化って本当に問題なの?」と題して私の考えを明らかにしました。最近入手したL. Brownの“Eco-Economy”を読んでいて,その第10章「地球規模の家族計画で人口を安定化する」に,私の考えを補強してくれる内容を発見しました。以下,「 」内は日本語版「エコ・エコノミー」からの引用,[ ]は私の補足です。

「1950年以来,世界人口は2倍に増加した」(P-272)。何でもないことのようですが,これは人類が発生してから1950年前までに,数百万年かけて到達していた人類の総数と同じ数の人間が,たった50年で新たに増加したということです。これは地球という自然にとっては容易ならざることではないでしょうか。

「人口学者は,近代化とともに人口増加率が長期的にどう変化するかを示すのに,三段階モデルを用いる。第1段階では,出生率と死亡率がどちらも高く,従って人口はほとんど,あるいはまったく増加しない。第2段階では,出生率は依然高いが死亡率が低下し,人口が急増する。第3段階では,出生率が低水準に下がって,低い死亡率と均衡し,再び人口が安定化する――。(中略)今日,第1段階にとどまっている国はない。すべての国が第2または第3段階にある。しかし,いくつかの国は,予測されたように第3段階に向って着実に発展するのでなく,死亡率の歴史的な低下が反転したために[HIVや飢餓による]第1段階に向けて逆行し始めている。(中略)多くのアフリカ諸国が後退の兆候を示している。」(P-274)

私がBlogで主張したのは,日本がこの第3段階を早く実現するべき責任があるということです。さらに発展途上国における当分の間の人口増加を考慮に入れれば,人口の安定ではなく,さらに人口減少を維持するべき国際的責任があるということです。

第2段階から第1段階への逆行はまさに人類としての退化です。人道的観点からもこれは絶対に避けなければならないことです。人類の叡智を集めて解決するべき緊急事ではないでしょうか。「現在,死亡率をすでに押し上げているか,またはそのおそれのある三つの明白な脅威が存在する。それはHIVの蔓延,地下帯水層の枯渇[食料不足→餓死],そして土地不足(一人当たり耕地面積の縮小)である。」(P-276) なんとかしてこれらの問題を抱える国々を,第2段階から第3段階へと持ち上げなければ人類の将来は無いでしょう。

この最後の段落の部分は,私のBlogでは日本の少子化の問題に焦点を合わせていたために触れなかったことです。世界の動きとして緊急かつ重要な問題です。L. Brownに感謝します。

レスター・ブラウン...
# by ja28tt | 2005-03-28 15:58 | 少子化

もっと自由時間を!

日本人ってどうしてこうきり無く働くのでしょうか。人生には,自分の時間、立ち止まって考える時間がとても大切だと思うのですが・・・。

ひとは一瞬一瞬外部からいろいろな情報を取り入れます。普段の忙しい時間には、一部はその場で情報処理して行動に移していく。しかし、大半の情報は処理されること無くメモリーされます。

未処理の情報はいずれ再処理されなければなりません。情報を咀嚼し、再編成する時間が必要になるわけです。これ無しで未処理のまま蓄えていくと、そのこと自体がストレスの原因となります。現代人はほとんどのひとが未処理の情報によるストレスを抱え込んでしまっているのではないでしょうか。

体験も一種の情報です。体験と新しく獲得した知識(外部からの一般情報もここに含まれる)を、整理された過去の情報とつき合わせながら新しい情報の処理を行うことによって、新しい組み合わせができたり、それからの連想で全く新しい理解が生まれてきたりします。これが「創造」です。そのひと独自の考え、すなわち個性というのはこうして作られていきます。こうした情報処理を行わないでできあがるものは個性でも創造でもなく、雑多な情報を詰め込んだ「ずだ袋」に過ぎません。今の世の中には,一見人間にみえるずだ袋のなんと多いことか・・・。

ここで「瞑想」とは何かを考えてみましょう。上に書いたことは、外部情報の処理にかかわる問題でしたが、自分の内部にも情報は沢山蓄積されています。その記憶装置が「無意識」です。ここにはかつて整理(処理)された膨大な情報が無限に保存されていますが、中には未処理のもの、あるいは中途半端な処理のまま蓄えられているものも沢山あります。特に「嫌なこと」はばっちりと蓋をして放置されています(「臭いものには蓋」です)。これがまたストレスの原因になっていると考えられます。瞑想というのは、外部からの情報ではなく、こうしてほとんど無限に蓄えられている情報の再処理をすることと言えるのではないでしょうか。この再処理によって,改めて自分でその情報の意味や価値を「納得」し,その結果としての「気付き」を得たりします。これによってストレスから開放されるのです。このように「瞑想」はとても大切で,ストレス解消にはとても有効です。(瞑想の仕方には,先人が開発してくれた沢山の方法があります。これらについては別の機会にお話するつもりです。)

心理学の世界では,普通は,意識vs無意識として単純に取り扱われますが,無意識は実は多層構造になっていて、その一番深いところでは「宇宙意識」にまで繋がっていることが分かってきています(ユング心理学と仏教の唯識論)。これについても別の機会にお話するつもりです。どうぞお楽しみに。
# by ja28tt | 2005-03-26 12:16 | 今日考えたこと